備南食研 玉ねぎの皮粉末
玉ねぎの「皮」とは?
普段食べている玉ねぎは、玉ねぎの「葉」が重なったものです。「実」ではありません。そのため、実際には「皮」というものは存在しません。市販されている玉ねぎの外側の茶色い部分は、もともと白い玉ねぎの外側の部分が乾燥したものです。収穫されたたまねぎは、市場に出る前に乾燥工程を経て、水分が抜ける工程で外側が茶色くなります。乾燥工程を経ないで出荷される玉ねぎは「新玉ねぎ」として販売されているもので、乾燥したものにくらべ、水分含有量が多くなり、そのために日持ちしません。
備南食研 玉ねぎの皮粉末の特徴
備南食研の玉ねぎの皮粉末は、国産玉ねぎの皮の外側を乾燥させ粉末化したものです。「皮」と呼んでいるものの、実際は玉ねぎの外側の部分を茶色い部分も白い部分も共に使用していて、その比率は おおよそ50%づつです。また、粉末化にあたっては、料理に入れて使うことを意識し、溶けやすいサイズの粉末となるように工夫しています(単に細かければ溶けやすくなるわけではありません)。玉ねぎの皮粉末と称される商品は、複数の会社から出ていますが、備南食研の玉ねぎの皮粉末の特徴は、この茶色い部分/白い部分の比率と、粉末化の技術にあります。
玉ねぎの皮の健康効果
玉ねぎの健康効果として第一に挙げられるのは「ケルセチン」です。
ケルセチンは、玉ねぎや緑茶に含まれているフラボノイドです。ケルセチンの効果については、農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)から複数の論文が出ていますが、その内容ご紹介しますの一部をご紹介します。
2021/5/26 (研究成果) タマネギのケルセチンは認知機能維持に役立つ
要約:
高齢化が進む現在、食生活を介した認知症予防や加齢による認知機能低下の改善が期待されています。農研機構、北海道情報大学、岐阜大学等の研究グループは、野菜や茶、果物等に広く含まれており、タマネギに特に多く含まれる「ケルセチン」の健康機能性に着目し、タマネギのケルセチンが認知機能に及ぼす影響を研究してきました。
今回、60-80歳の健康な男女70人に、ケルセチンを多く含む、またはケルセチンを含まないタマネギ粉末を約5か月間(24週間)毎日食べていただき、摂取前後に一般的な認知機能検査であるミニメンタルステート検査2)を実施しました。ケルセチンを多く含むタマネギを食べた人は、ケルセチンを含まないタマネギを食べた人に比べて、摂取後に検査の点数がより大きく増加することが確認され、タマネギのケルセチンが認知機能の維持に役立つことが示されました(本成果は、5月21日(金曜日)に「J Clin Biochem Nutri」のオンライン版で公開されました(参考資料1)。この結果は、日常の食事の中で摂取するタマネギが、加齢に伴い低下する認知機能の維持に役立つ可能性を示しています。
今回の結果に基づいて、ケルセチンを関与成分とし、加齢に伴い低下する認知機能の維持に役立つ機能等を表示する、生鮮タマネギの機能性表示食品の届出を目指します。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/nfri/141222.html